トライアスロンやOWSでのヘッドアップスイムのやり方と練習方法について

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今回はヘッドアップスイムについてです。

 

屋内のプールで泳ぐ場合は普通、床面に進行方向を示す線がペイントされているので、水中でそれを見ながら前に進むことができます。

また縦の線だけでなく、親切に5メートルごとに横線が引いてあったり、また水中で前を向けば、プール側面の壁が迫っていることも分かるので、壁にぶつかることもありませんね。

 

それが、トライアスロンやオープンウォータースイムなどで、海や湖などを泳ぐ場合は全く変わってきます。

下に縦線も横線もありませんし、そもそも水の透明度が低く、水中視界がほとんどないことも少なくありません。

なので実際には顔を水面に上げて、瞬時に自分の進んでいる方向を見定める必要があります。

 

 

ヘッドアップスイム(ヘッドアップクロール)とは?

ここで目印になるのは、レースのために用意されたブイだったり、港の堤防だったり、建物や橋だったりします。

それらの目印と自分の位置関係を把握する手段に一つとして、息継ぎがあります。

息継ぎのタイミングで目に入る目印がある場合に限りますが、息継ぎで右または左に顔を出したときに、毎回建物が同じように見えていればまっすぐ進んでいるし、見え方が変われば自分の進行方向が傾いたと判断することもできます。

 

しかし息継ぎのタイミングで得られる情報だけで、無駄なく最短距離でレースを運ぶことはまず不可能です。

正確な進行方法や距離感をつかむには不十分なので、どうしても顔を上げて前方を見る必要があるのです

 

そこで求められるのが、ヘッドアップスイムというテクニックです。

ヘッドアップという事で、その名の通り泳ぎながら頭を上げることなのですが、クロールをしながらヘッドアップすることを、ヘッドアップクロールとも言います。

 

 

ヘッドアップスイムの泳ぎ方

ヘッドアップクロールを習得する上で最初に認識しておきたいのは、ヘッドアップと息継ぎは分けて考えるということです。

せっかく顔を出すのだから息継ぎもしてしまえばいいと思うかもしれませんが、前を見るために目を水面に出すのと、呼吸をするために口まで出すのとではかなり違いがあります。

 

水泳では水の抵抗を減らすために体を水平に保つことが基本であって、頭を大きく持ち上げることはその原則に反するわけです。

なのでヘッドアップは前が見えるだけの最小限に留め、息継ぎはそれとは別に今まで通り行うようにします。

 

ヘッドアップするタイミングについては諸説あります。

手が入水するエントリーのタイミングから始めるとか、キャッチからプル辺りのタイミングがいいとか、プッシュのタイミングでやるのがいいとか。

しかしストロークの仕方も人それぞれなので、ストローク動作だけでタイミングを説明しようとすると分かりづらいような気がします。

 

なのでヘッドアップのタイミングについては、「息継ぎのちょっと前くらい」と考えるのが良いのではないかと思います。

長距離を泳ぐ場合は、毎ストローク息継ぎをするという人が多いと思います。

息継ぎを乱すと泳ぎ自体が乱れてしまうので、息継ぎにできるだけ影響を及ぼさずにヘッドアップする必要があります。

 

例えば右向きで息継ぎする場合、右肩が上がる方向に体をローリングさせます。

この右ローリングに移る前の、ロール姿勢が水平のタイミングが、ヘッドアップするべきタイミングです。

1回のストローク内でヘッドアップと息継ぎを両立させるには、顔を前方に向けるのと横向きに向けるのを、一連の動作として行うことで可能となります。

あるいは2ストロークに1回しか息継ぎしないという人は、ヘッドアップと息継ぎを交互に行うという事もできます。

 

こちらの動画が分かりやすいので紹介させていただきます。

引用元:ocean-navi

 

 

ヘッドアップスイムの練習方法(コツと注意点)

トライアスロンやOWSだからと言って、終始ヘッドアップして泳ぐ必要はないので、頻度やタイミングは必要に応じてアレンジしてください。

また、1回で視覚情報を全部収集しようとすると力んでしまいフォームを崩しかねないので、ちょこちょこヘッドアップして少しずつ情報を得るようなイメージが良いと思います。

 

練習は、基本的には実践あるのみです。

ヘッドアップ無しで泳いでいたフォームをできるだけ崩すことなくできるように、普段のプール練習に組み込んで、体に覚えこませておきましょう。

その際、水中での視覚情報が入ってくるといまいち実践的ではなくなってしまう(必死さが出ない)ので、水中では目を閉じてヘッドアップするときだけ開くようにするのも一つの方法です。

 

ポイントを下記にまとめます。

 

息継ぎは今まで通り行う
・水面に出すのは目だけでいいので、頭を必要以上に上げすぎない
・頻度は自分の泳ぎのリズムに合わせて決める
・慣れないうちはフォームが乱れるので、あくまで練習の一部として行う
・練習は水中で目を閉じると効果的

 

 

海や湖でのレースにはヘッドアップスイムが必要不可欠

いかがでしたか?

 

プールで普通に泳ぐだけの練習でオープンウォーターに出てしまうと、自分の進行方向が分からず、とんでもない方向に進んでしまうことになるかもしれません。

せっかく頑張って泳いでいるのに、遠回りをして時間をロスしないように、ヘッドアップクロールの練習をしっかりしておきましょう。

 

プールでこれをやっていると、「あれ、泳ぎが下手な人なのかな?」という目で見られることがあるかも知れませんが、それは気にせずやりましょう。