さて今回はずばり、
「股間が痛くなりにくいショートノーズサドル」
がテーマです。
ロードバイクでもトライアスロンバイクでも、自転車のパーツ選びで難しいものの1つがサドルです。
「サドル沼」「サドルジプシー」などという言葉もあるくらいで、私自身も痛みとパフォーマンスの狭間で苦労した経験があります。
- ロードバイクに乗ってるけど尿道など股間部の痛みが耐え難い
- ショートノーズのサドルに興味がある
- おすすめのサドルを比較検討したい
という方にショートノーズサドルの特徴と、おすすめのサドルについてまとめてみました。
まずはショートノーズサドルについて
ショートノーズサドルとは、その名の通り先端部がカットされた全長の短いサドルです。
従来のサドルは270~280㎜程度でしたが、ショートノーズサドルは245~255㎜くらいのものが支配的です。
一方、幅が広めに設計されているものが多く、従来サドルが130㎜程度なのに対し、ショートは140~160㎜くらいになっています。
ショートノーズサドルのメリット
・短いぶんだけ軽い
・座面が幅広のため前乗りでも股間の痛みが比較的軽微
・ダンシング時にパンツが引っかかりにくい
前乗りとは、標準的なポジションにセッティングされたサドルに対して前寄りに着座することで、通常よりトルクをかけやすいライディング姿勢になります。
ショートノーズサドルは基本的に前乗りを前提としたものです。
普通のサドルで前乗りをすると、幅の狭いサドルの先端部に着座することになり、股間に痛みを生じやすくまた安定性も悪くなります。
ショートノーズは前乗り状態でも幅広の座面で支えてくれるので、より安定したペダリングができるようになります。
また基本的に穴あきなので、尿道などを圧迫することなく股間の痛みが生じにくい設計になっています。
ショートノーズサドルのデメリット
前述のように、基本的には着座位置が前よりに限定されるので、ポジションの可動域が比較的狭くなる点に注意が必要です。
ライディング中に大きな前後のポジション変更をする方には向かないかもしれません。
ショートノーズサドルが向いている人
・従来のサドルだと股間に痛みのある人
・ショートノーズのすっきりした見た目がかっこいいと思う人
もともとトライアスリートに好まれてブレイクしたショートサドルですが、トライアスロン専用というわけではありません。
ヒルクライムでガンガン踏みたい人や、平地の巡航速度を上げたい人などのレベルアップにも効果が期待できる選択肢です。
おすすめショートノーズサドル 5つのモデル
ではここからは、サドルブランド各社の出しているモデルから厳選した5つを紹介していきたいと思います。
記載した価格はあくまで実売価格の参考です。
おすすめNo.1 Shimano Pro Stealth (シマノ プロ ステルス)
まずはシマノ プロのステルスというモデル。
安定性が良く非常にコスパの高いショートサドルで、一番のおすすめサドルです。
比較的先端の方まで幅広な造りになっています。
座面は緩やかにウェーブしていてポジションが安定しやいので、その分ペダリングに集中できます。
もちろん凹部も広く空いているので、深い姿勢をとっても股間が痛くなりにくい設計です。
信頼のシマノブランドでありながら実売1万円ちょっとで購入できるというのは、数あるショートサドルの中でもトップクラスのお買い得感です。
シマノ プロ ステルスの基本情報
幅:142㎜/152㎜
重量:205g/210g
レール:ステンレス 7x7mm
価格:¥14,000前後
上位モデルのカーボンレールはこちら。
こちらはサドル幅142㎜で重量が172gと軽量化されています。
おすすめNo.2 Selle San Marco Shortfit (セラ サンマルコ ショートフィット)
次はイタリアの代表的なサドルメーカー、セラ サンマルコのショートモデルです。
流線型の曲線が織りなす高いフィット性が特徴です。
個人的には、セラ サンマルコのサドルを長く愛用していたこともあり、非常に信用しているブランドです。
シマノプロのステルスに次ぎ、2番目のおすすめサドルです。
セラ サンマルコのサドルは座った感じあまり柔らかくは感じませんが、乗れば乗るほど快適性を実感できるのが特徴だと思います。
このモデルはブラックのみなのですが、ロゴもブラックになっていて超シックでかっこいいです。
価格もリーズナブルなので、Proのステルスに負けず劣らずの高コスパモデルです。
セラ サンマルコ ショートフィットの基本情報
長さ:250㎜
幅:139/155㎜
重量:215/220g
価格:¥13,000前後
おすすめNo.3 ISM(アイエムエス) PR2.0
トライアスリートにも人気の高いISM。
PR2.0は、走りと快適性のバランスがちょうどいい感じのモデルだと思います。
おすすめサドルNo.3です。
見慣れてしまえば何と言うことはないのですが、初めて見るとやっぱり「なんだこのサドルはっ!」という事になりますよね。
ISMの最大の特徴は何と言っても2つに分かれた先端部です。
左右に分かれているのは中央の圧迫をなくすだけでなく、ペダリングと連動してしなることによって快適さとペダリング効率を両立することが目的です。
PRというのは「パフォーマンス レクリエーション」の略で、レース向けというよりはファンライドよりですが、パッドが厚すぎないのでファンライドからレースまで幅広く使えるモデルだと思います。
ただ他と比べて重量は370gと重めです。
軽さを追求するクライマーなどには不向きかもしれませんね。
アイエスエム PR2.0の基本情報
長さ:250㎜
幅:130㎜
重量:370g
価格:¥20,000前後
おすすめNo.4 Fizik ARGO TEMPO (フィジーク アルゴ テンポ) R3
おすすめサドルNo.4は老舗ブランドFizikから、エンディランスモデルのショートノーズサドルです。
サドル長が265㎜ということで、ショートノーズというよりもミドルノーズくらいでしょうか。
前述したようにショートノーズサドルというのは原則として前乗りの深い前傾姿勢を前提としていましたが、Fizikのテンポに関しては比較的アップライトなライディング姿勢を前提としているそうです。
そのため、着座したときに座骨があたる部分がより厚くなるように設計されています。
そんなに前乗りにこだわらないけどショートノーズにしたい、比較的骨盤を立てた姿勢で走りたい、という方に向いているのではないでしょうか。
R3というのがキウムという金属製のレール。R1がカーボンレールのモデルになっています。
フィジーク テンポR3の基本情報
長さ:265㎜
幅:150㎜/160mm
重量:229g/235g
価格:¥19,000前後
こちらがカーボンレールモデルのR1。重量は195g/202gとなっています。
おすすめNo.5 Prologo Dimension (プロロゴ ディメンション) NDR Ti-rox
最後、5番目のおすすめサドルはやはりプロロゴのディメンションが外せません。
デザインがエヴァンゲリオン的だと思うのは私だけでしょうか?
今回あげた5つのモデルの中では、ディメンションがもっともレース向きと思われます。
後部は幅143㎜と広いですが、先端部は割と細くなっているので、しっかり腰かけて漕ぐというよりはちゃんとトルクをかけて踏むタイプの人に向いていると思います。
重量的にも軽くてレース向きですが、その分クッションは薄めなので、股間の保護に重点をおくのであればProのステルスを取った方が無難かもしれません。
カラーはブラックとホワイトがありますが、どちらのデザインもかっこいいです。
プロロゴ ディメンション NDR Ti-roxの基本情報
長さ:245㎜
幅:143㎜
重量:184g
参考価格:¥15,000前後
カーボンレールタイプのNACKはこちら。
股間にやさしいロードバイクサドル まとめ
5つのおすすめモデルを紹介しました。
分類の仕方はいくつかありますが、レース寄りかファンライド寄りかで言うなら、
- レース寄り:「Pro ステルス」「Prologo ディメンション」
- ファンライド寄り:「ISM PR2.0」「Fizik テンポ」
- その中間:「Selle San Marco ショートフィット」
という事になるかなと思います。
自分に最適なサドルを探すのはなかなか容易なことではありませんが、目的と好みに合わせて選んでみて下さい。