出張で二年ぶりにニューヨークを訪れることになった。
休みもあるので、マンハッタンに行って何しようか(出張先はNYCではなく少し離れている)などと考えてみるが、これと言って思いつきはしない。
主な観光スポットは前に回ってしまったし、都合よくヤンキースタジアムの試合があったりもしないようだ。
うーん、それならせっかくだからセントラルパークでランニングでもするか、となる。
結局どこへ行ってもやることはあまり変わらない。
セントラルパークでランニングしたい?
同じようなことを考える人は少なくないようだ。
ネットを検索すると、セントラルパークでランニングしたい、という人が結構いる。
皇居ランがしたい、というのとなんだか似ている。
とはいえ壮大なセントラルパーク、一周が何kmくらいかも分からないので調べてみると、かなり親切なランニングマップが見つかった。
↑このサイトに入って[Download the map]をクリック
マップによると外周は約6マイル、10km弱らしい。皇居のほぼ2倍だ。
実際には外周ではなく公園内を走るわけだが、道が色分けされていてそれぞれの距離が書いてあるので、走りたいルートを選んで距離を足し合わせていけば、総走行距離が簡単に分かるようになっている。
あるいは、走りたい距離が決まっていたら、その距離になるように計算しながらルートを決めていくこともできる。
今回は写真を撮ったりしながらゆるくジョグをするので、公園の3分の2くらいを回る8キロほどのルートに設定してみた。
まずは荷物を預ける
ここでまた皇居ランの話になるが、皇居周辺にはランニングステーションがいくつもあって、500円からでロッカーやシャワーが使えるので、誰でも気軽にランニングが楽しめるようになっている。
そんなようなものがセントラルパーク周辺にもあるのではないか、と思っていたのだが、それはちょっと甘かったようだ。
9.11以降、NYCにはコインロッカーというものがなく、東京のように気軽に荷物を預けられる環境はない。
その代わりにあるのが兼業でやっている荷物預かりで、マンハッタンであればいろいろなところに点在している。
↑興味のある方はこちらから
手数料2ドルと、1時間あたり1ドルからの預かり料を支払うことになるのだが、PCなどもろもろの入ったリュックを背負って走るわけにもいかないので、背に腹は代えられない。
預けたのは公園から徒歩5分くらいの、クリーニング屋さん兼業の預り所。
ウェブからの予約が必要で、さらに預り時間の開始/終了もウェブ上で行わなければならないので、スマホやPCなどが必須だ。
Wi-fiは店のを使っていいことになっていたのだが、これがなぜかなかなか繋がらない。
パスワードを教えてもらって何度もトライしたのだが接続できず、結局向かいのスタバに入ってスタバのWi-fiで事無きを得た。
せっかくマンハッタンまで走りに来たのに、荷物が預けられなくて走れませんでした、ではつまらない。
この預り所、支払いも現金ではできず、ウェブを通して電子決済するしか方法がない。
ウェブは今や便利なオプションではなく、必要不可欠なものになってしまった。
そういう時代なのだ。
というわけでセントラルパークを走ってみた
週末だったこともあり、公園の入り口付近は観光客でごった返していた。
やはり走るなら平日、それも朝の方が良さそうだ。
アメリカドラマのジョギング風景も、だいたい朝だった気がする。
ランナー以外もたくさんいるが、もちろんランナーもたくさんいる。
ペースは総じて速くはない。
ペース走っぽいことをしている人よりも、ファンランといった風情の人が多いようだ。
走っていると、Ironmanのロゴが入った帽子やタンクトップを付けている人を時折見かける。
東海岸とはいえ、さすがはトライアスロン発症の国である。
それにしてもセントラルパークでは、ランナー以外にもいろいろなものが走っている。
- 自転車(ロードから子供用までさまざま)
- スケボー
- キックスケーター(というのかな)
- ランニング用ベビーカー
- 馬車
- 三輪タクシー
- 公園パトロールの車両
などなど。
一応、ランナーと自転車、その他のような形でレーンが分かれているので、雑多なわりには走りやすいと感じる。
南側の入り口付近は混雑していたものの、中央付近に差しかかるころには人もまばらになり、ランニングが阻害されることもほとんどない。
ランニングの質はあまり期待していなかったのだけど、結果的に思ったよりも好印象だった。
またここに走りに来たいな、と十分に思えるランニングになった。
セントラルパークラン vs 皇居ラン 日米ランニング聖地対決
ちょいちょい皇居ランとの比較が出てきてしまうので、それぞれの長所をあげる形で比較してみたい。
セントラルパークランの良いところ
- 公園内であり、道幅も広いので走りやすい
- ランナー、自転車、その他のレーンが分かれていて走りやすい
- 路面が良くて走りやすい
- ゆっくりペースの人が多いのでがつがつしてない
- 公園なのでトイレもところどころにある
皇居ランの良いところ
- ランナーは一方通行(セントラルパークは対面通行)
- 近くにランステーションがある
共通点
- 都会的風情を楽しみながらランニングができる
- 基本平坦だが、コースの一部に適度なアップダウンがある
- セントラルパーク中央付近の池の周りは、なんだか皇居のお堀と似た雰囲気がある
ご覧のように、走りやすさでは断然セントラルパークに軍配が上がる(そりゃそうか)。
しかし最初は皇居ランとセントラルパークランは似ても似つかないと思っていたのだけど、こうして見ていくと意外と共通点もあるものだなと感じる。
セントラルパークでのランニング以上におすすめしたいこと
そんなわけでセントラルパークでのランニングはなかなか良かったので、機会があればまた走りたいと思う。
マンハッタンに行くランナーの方がいれば、おすすめしたいとも思う。
さらに、公園を走ること以上におすすめしたいことがある。
それは、ランニングしたそのままの格好で街を歩くこと。
夏ならTシャツやタンクトップにランパン、冬ならウィンドブレーカーにランニングタイツとか。
いかにもランニングしてますという恰好がいい。
マンハッタンを歩いていると、日本人はどうしたって客引きから声をかけられまくる。
観光バスだの、レンタルサイクルだの、シアターチケットだの。
旅慣れた風情で歩いていても、まっすぐ前を見て歩いていても、ホットドックをほおばりながら歩いていたって声をかけられてしまう。
ところが、ランナー風情で歩いていると、客引きからいっさい声がかからなくなる。
これが思いのほか気持ちいい。
タイムズスクエアを声をかけられずに歩き抜けるのが、これほど気持ちいいとは思わなかった。
アメリカではランナー然とした格好で街を歩いたり、地下鉄に乗ったりしても誰も気にも留めないので、宿泊先が公園まで地下鉄で行けるくらいの場所であれば、余計な荷物は持たずに身一つで出てくることをおすすめしたい。
なんだか、ランニングの感想を書こうとしただけの記事だったのに、セントラルパークの宣伝みたいなのになってしまった。うーん。