BCAAが特定のアミノ酸を指すという事をご存知の方は多いものの、その詳細は実はあまり知られていません。
なんとなく良さそうだからトレーニングの前や後に飲んでいる、という人も少なくないと思います。
今回はBCAAとは何か、そしておすすめの摂取タイミングなどについてまとめました。
BCAAとは?
別の記事でも書いていますが、BCAAとは端的に言うと次のようなものです。
もう少し詳しく説明すると、BCAAとは“Branched Chain Amino Acid”の略です。
“Amino Acid”がアミノ酸のことで、”Branched Chain”は上記3つのアミノ酸の分子構造がブランチ(枝分かれ)構造をしているためそう呼ばれています。
日本語では分岐鎖アミノ酸などとも呼ばれます。
なるほどそれがBCAAなのかと思ってしまいますが、はっきり言ってよく分かりませんね。
次でもう少し噛み砕いで説明します。
なぜBCAAを取る必要があるのか?
運動する体を作るのはたんぱく質ですが、たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類あります。
この20種類のうち、先に書いた通り体内で作ることのできないアミノ酸が9種類あります。
BCAAはこの9種類のうち、運動をする筋肉に特に必要とされる3種類のアミノ酸のことでした。
人間が長時間運動を続けるためには、筋肉のエネルギー源としてまず糖質や脂肪、そして血液中のBCAAを使います。
しかしそれらでは足りなくなってくると、体は筋肉を分解して筋肉中のBCAAをエネルギー源として利用しようとします。筋肉が分解されるとパフォーマンスや筋力は低下し、さらに疲れやすくなります。
マラソンやトライアスロンなどのエンデュランススポーツでは特にこの点に注意が必要です。
長時間の運動でも筋肉の分解をさせないためには、血中のBCAAを十分に補充しておくことが重要なのです。
体内で生成できない必須アミノ酸ですが、肉や卵、牛乳や大豆などにも含まれており、食品から取ることもできます。
しかし食品から取ろうとすると吸収に時間がかかるだけでなく、余分な糖質や脂肪なども摂取してしまう可能性があるため、アスリートなどはサプリやゼリー、ドリンクなどで補給することが多いです。
BCAAによって得られる効果
BCAAの働きの一部はすでに触れていますが、スポーツなどで体を動かす人がBCAAを摂ることで得られる効果についてもう少し整理してみます。
パフォーマンス向上効果
運動のエネルギーには糖や脂肪が使われますが、同時にBCAAもエネルギー源となります。
血中BCAAを使うことで糖(グリコーゲン)を節約することができ、持久系競技ではスタミナの維持につながります。
また乳酸の産生を抑える効果もあり、長時間動き続けても疲れにくく、結果としてパフォーマンスを向上させる効果があります。
筋肉を守り、筋肉を作る効果
トレーニングやレースなどの前に十分な血中BCAAを蓄えておくことで、筋たんぱく質の分解を抑制する効果があります。
エネルギー源として使うために筋たんぱく質の分解が始まると、筋肉は損傷を受けてしまいます。
分解による損傷から筋肉を守り、また運動後の筋肉の修復をサポートするのもBCAAの役割のひとつです。
疲労や筋肉痛を軽減させる効果
筋肉は損傷を受けると本来のパフォーマンスを出せなくなるだけでなく、筋肉痛や疲労にもつながります。
BCAAの血中濃度を高めておくことで、運動後の疲労感や筋肉痛を軽減させる効果も得られます。
BCAAを摂取するタイミングについて
BCAAの摂取に適したタイミングとしては主に「運動前」と「運動中」があります。
BCAA摂取タイミングを考える時、
- 運動前にBCAAの血中濃度を高めておくこと
- 運動中も血中濃度を高く保つこと
の2点が重要になります。
BCAAは摂取して30分くらいで血中濃度がピークになると言われているので、運動前のタイミングはトレーニングやレース開始の30分前がまずは目安になります。
30分を過ぎると血中濃度は緩やかに下降してくるので、マラソンやトライアスロンなど長時間動き続けるスポーツの場合は特に運動中にもBCAAの補給が必要です。
運動開始30分前に顆粒やドリンクなどで摂取し、運動中はドリンクなどでこまめに摂り続けるのがおすすめです。
摂取方法の一例
- 運動開始30分前:顆粒やゼリーで2000~4000mg摂取
- 運動開始後:ゼリーやドリンクなどで30分に1000~2000mgを目安に摂取
BCAAの摂取方法としては吸収の速いドリンクやゼリー、顆粒などが適していますが、錠剤の場合でも少し早めに飲むことで同じ効果は得られます。
ちなみに私が持っているBCAA錠剤(アメリカからの輸入品)の場合は、パッケージに「運動の45分~60分前に飲むのが理想的」と書いてあります。
筋肉を守りパフォーマンスを上げる-BCAAの効果と摂取タイミング まとめ
今回は「BCAAとは何か」から、BCAAを摂ることでどのような効果が得られるのか、また効果的な飲み方とタイミングはどのようなものか、といったところをまとめてみました。
筋トレなどの高負荷な運動から、ランニングやトライアスロンなどのエンデュランススポーツ、あるいは野球やサッカーなどの球技、さまざまなスポーツにおいて恩恵が得られるのが必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンのBCAAです。
まだトレーニング前のBCAAを取り入れていない人は、ぜひ試してみてください。