エイジグルーパーにとってスイムの必需品、ウェットスーツ。
トライアスロンをやる上で、安全面からも、競技面からも、外すことのできないアイテムですね。
ところがこのウェットスーツ、いくつかの選択肢があって迷ってしまうことが多々あります。
一度選んでしまうとなかなか後戻りできないものでもあるので、ここはしっかりポイントを押さえておく必要があります。
- オーダーメイドか既製品か?
- ロングジョンかフルスーツか?
- ワンピースかツーピースか?
- 生地の厚みは?
これらの疑問に対する答えを、この記事の中で整理していきたいと思います。
ウェットスーツ着用の是非については、別記事で詳しく紹介していますので、よろしければこちらもぜひ。
オーダーメイド vs レディメイド
ウェットスーツにはオーダーメイドとレディメイド(既製品)があります。
オーダーメイドのメリット
- サイズがぴったり
レディメイドのメリット
- 安い
- 在庫があればすぐ手に入る
- 売る時にも売れやすい
やはり価格は如実に違ってきます。
メーカーにもよりますが、同じくらいの仕様であれば、オーダーメイドのほうが3~5割程度は高くなっているかと思います。
値段だけでなく、既製品のほうが売り買いの手間は少ないです。
一方でオーダーメイドであれば自分の体にフィットしたものを作ってもらえます。
ウェットスーツは脱着が大変なほど体に密着するものです。
オーダーメイドとなれば、首回り、肩、胸、ウェスト、ヒップ、太腿、足首など、全身を採寸したうえで作成します。
体に合ったものを着用すれば、ウェットスーツのメリットを存分に享受することができますが、一方で体にフィットしていないと、息苦しさを感じたり、泳ぎにくくて普段のパフォーマンスが出せなかったりします。
また、オーダーメイドのメリットはサイズだけとは限りません。
後述する生地の厚みも、パーツによって指定できる場合があります。
例えば、下半身の生地を厚めにすることで、下半身の沈み込みをより改善できたりします。
というわけでオーダーメイドのほうがもちろん良いことは良いのですが、仮に既製品が自分の体型にフィットしていたらそれはそれで結果オーライなわけですね。
なのでおすすめは、まずはいきなり購入するのではなく、レンタルで既製品を試してみることです。
それで何の問題もなければ同じものを買っても良いですし、合わなければまた次は別のメーカーのものをレンタルしても良いですね。
結果やっぱり既製品では満足ができなければ、オーダーメイドへと舵を切る、そういった選択肢があります。
ロングジョン vs フルスーツ
ロングジョンは袖なし(ノースリーブ)、フルスーツは手首まで袖があるタイプです。
ロングジョンのメリット
- 価格が少し安い
- 腕が動かしやすい
- 着脱がしやすい
- 真夏のレースでも快適
フルスーツのメリット
- 浮力が高い
- 保温性が高い
- 泳力がなくても速く泳げることがある
袖があるかないかですが、これが結構悩みます。
まず明確に違うのが保温性なので、水温の低いレースの場合は必然的にフルスーツを選ぶことになります。
逆に国内の真夏のレースだとロングジョンのほうが快適である可能性が高くなります。
目安としては、水温20度以下ならフルスーツ、25度以上ならロングジョンといったところ。
その中間の水温(20~25度)であれば価格や泳ぎやすさ、パフォーマンスなど他の要素で決めれば良いと思います。
袖のあるのとないのでは、浮力も違えば、キャッチできる水の量も違ってくるので、少なからず泳ぎのパフォーマンスにも影響があります。
しかし、たくさん水をキャッチすれば当然そのぶん腕に負荷はかかるので、必ずしも有利に働くとも限りません。
一般的には、泳力に自信がない場合はフルスーツのほうが早く泳げる、と言われていますが、個人的には経験上、どちらを着ても結局タイムにはほとんど有意差がなかったです。
こういった点も、レンタルで試してみるのが一番かもしれません。
ワンピース vs ツーピース
ワンピースは従来通りのウェットスーツで、上半身部分と下半身部分がくっついたもの。
ツーピースは上下がセパレートになったタイプです。
ワンピースのメリット
- 比較的価格が安い
- 多数派なのでたくさんのモデルから選べる
ツーピースのメリット
- 動きやすい
- 着脱が比較的しやすい
- ロングジョンとフルスーツをトップスだけで切り替えられる
昔はワンピースしかなかったと思うのですが、いつの間にかツーピースも増えてきましたね。
機能的には、ツーピースの方が利点は多いと言えます。
ワンピースのウェットスーツは、チャックが背中にあって上げ下ろしも若干面倒、脱ぐのも着るのも結構骨が折れます。
ツーピースの場合、トップスはチェックがないか、前開きが主流で、スイムからバイクへのトランジットには有利です。
理想はツーピースで3点セット(ボトムス+袖ありトップス+袖なしトップス)を持っているといいですが、割高なのでなかなか購入には勇気がいります。
生地の厚みはどうする?
生地の厚みは1㎜程度から5㎜までさまざまです。
しかも全身一様の厚みではなくて、部位によって厚みを変えることで、モデルごとに機能性やパフォーマンスに特徴が出ます。
生地を厚くするメリット
- 高い浮力を得られる
生地を薄くするメリット
- 動きやすい
- コスト安
単純に、生地を厚くすればその分高くなりますし、その分浮力は増します。
一方で厚い方が動きが取りづらくなるのも自明です。
規定で厚みは5㎜までと決まっているので、5㎜厚の部分を多用しているモデルは多いです。
腕の動きを妨げないように上半身を薄めにしたり、浮力に関わらない水面に浮く部分は薄くしたり、下半身を厚めにして浮かしたりと、設計はさまざまです。
競泳選手上がりのトライアスリートなどは、厚くするとタイムが落ちるということもあるそうです。
逆にスイムが苦手な人は浮力の確保を優先させて、厚めのものにするのが一般的なようですね。
自分に合ったウェットスーツで最高のスタートを
ウェットスーツの選び方について、
- オーダーメイドとレディメイド
- フルスーツとロングジョン
- ワンピースとツーピース
- 生地の厚み
といった観点で整理してみました。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
ウェットスーツはとても重要です。
私は以前、体型が変わり首回りや肩回りのサイズが合っていない(きつい)状態でレースに出場した際、息が苦しくてまともに泳げなかった苦い経験があります。
1.5km泳ぐのに、通常よりも10分余計にかかってしまったほどで、さらにその疲労感がレース全体に響いてしまいました。
スイムは一番最初の種目であり、ウェットスーツはその成否のカギを握っています。
ポイントを押さえて、自分に合ったものを選ぶようにしてみてください。