レース出場を目指すビギナーの方向けに、レース選びのポイントを紹介します。
初めてのレース選びは、やはり慎重に行いたいところです。レースへの参加はトライアスロンをやる上でのモチベーションであり、目標であり、成果を得ることでもあります。
良い大会だった、楽しかった、という成功体験は次へとつながって良いサイクルを生み出しますが、逆に大会であまりに残念な思いをしたり、不快な経験をすると、特に初心者の場合トライアスロン自体のモチベーションを低下させることにもなりかねません。
ここでは、あなたがファーストレースを選ぶ時に参考にしてほしい4つのチェックポイントをお話ししたいと思います。
最初のレースを、最初の成功体験の機会にしましょう。
初めての大会選びのポイント① 十分完走できる距離とコース設定
まず最初のレースはしっかりと完走したいです。
自分の実力を冷静に判断して、十分に完走が可能なレースを選びましょう。
DNFという言葉をご存知でしょうか?
Do Not Finishの略で、スタートはしたものの途中棄権(リタイア)や制限時間超過などでフィニッシュできなかった場合、正式なタイムは残らず、記録上「DNF」となります。厳しいようですが、フィニッシュしていないので、1つのレースを最初から最後まで経験したとは残念ながら言い難いかと思います。
初めてだと自分がどの程度できるのか、推し量るのはなかなか難しいかもしれませんが、レースを想定したトレーニング(バイク→ランを続けてやってみるなど)などで実力を把握するよう試みましょう。
レース選びの際、距離だけでなく、アップダウンも有無なども確認するようにしましょう。ショートの場合、ほとんどが平地で行われますが、稀にアップダウンの多いコース設定の場合もあります。バイクコースが山道などの場合、想定以上にランの入りが厳しくなります。
初めての大会選びのポイント② ビギナーが出場しやすい大会
大会ごとの傾向というか雰囲気というか、ベテランが多い大会もあれば、初心者が多い大会もあります。
周りがレース慣れしたベテランばかりの大会では、委縮してしまっていまいち楽しめなかったり、遅い人が少なくて目立ってしまったりします。大会のホームページで過去の開催時の写真を見たり、ブログの出場レポートなどを見ることでなんとなくその大会の空気感が分かったりします。
クロスバイクやマウンテンバイクで出てる人がいたり、キッズレースがあったりする大会は初心者でも参加しやすい雰囲気の大会が多いです。
また大会ごとのレギュレーション(ルール)、特に制限時間があるのでそこも注目です。同じような距離の大会でも、制限時間がより長めに設定してある大会の方が、初心者向けの大会と言っていいと思います。
初めての大会選びのポイント③ 会場へのアクセス
レース当日の朝は基本バタバタします。
道具の準備やスケジュールの確認、食事のタイミング。会場についてからも受付やトランジッションのセッティング、準備運動、ウェットスーツの着用などなど。
初めてのレースだと勝手がまるで分からず、十分時間に余裕を持ったつもりだったのにウォーミングアップの時間が取れなかったりということもあります。
つまり何が言いたいかというと、余計な不安や不確定要素は可能な限り排除すべく、とにかく自分にとってアクセスの良い大会を選ぶことが重要だということです。車で行くのか、公共交通機関で行くのかにもよって、アクセスの利便性は変わってきます。
あるいは会場が自宅から遠い場合、できるだけ会場へのアクセスのよいホテルを取るようにしましょう。大会によってはオフィシャル宿泊施設などを紹介している場合もあり、割引が受けられたりシャトルバスが出ていたりもします。
アクセスが良い、というのはとにかく住んでいる地域に近い大会を選べばいいというわけではありません。よほど自宅から近い大会があるというわけでなければ、遠出して会場近くに宿を取った方がレースに集中しやすい、という場合もあると思います。
初めての大会選びのポイント④ 開催時期
トライアスロンは屋外スポーツであり、さらにオープンウォーターを泳ぐレースが多いので、かなり天候には左右されます。梅雨の時期や台風が多い時期、暑すぎる時期、逆に水温が低すぎる時期など、大会を選ぶうえで気になる季節事情は多々あります。
ただ、この日本でそれらを全部気にしていたら、トライアスロンが開催できる季節などほとんどなくなってしまいます。天候によってはスイムがなくなったり、距離を短縮したり、大会自体を中止せざるを得なかったりと、運営側も苦渋の選択を強いられることがしばしばあります。
では初めてのレース選びでどこを重視すべきかというと、個人的にはやはり雨の確率かなと思います。
雨の中での大会はいろいろ厄介です。スイムが無くなったり、バイクはカーブで転倒のリスクが上がったり、トランジッションに置いたものもずぶ濡れ、地面はぬかるんでシューズも泥まみれ。いろんな意味でテンション下がります。
トライアスロンは基本的に夏の競技なので、暑いのはある程度覚悟して、ウェアや帽子、十分な補給などで対策するとして、天候が良い時期を選ぶのが無難かと思います。
個人的には、
- 5月:水温が低めなのは覚悟して〇
- 6月、7月:梅雨を避けたいので△
- 8月:暑いのを我慢して◎
- 9月:台風などで降雨が多くて△
という感覚です。ただこれも一つの要素でしかないので、どうしても出たいレースがあれば雨の多い時期でもエントリーしますが。
レースは楽しんでなんぼ
レースはお祭りです。楽しんでなんぼです。
私もレースに出るたびに、ああやっぱりレースっていいな、トライアスロンをやってて良かった、と率直に思います。
初めてのレースは、初めての成功体験のチャンスです。それをどうプロデュースするかの第一歩が、レース選びなのかもしれません。
直感と熟考、洞察力と創造力を駆使して、素敵なレースを選んでください。
別記事で関東エリアで初心者におすすめの大会5選を紹介しています。
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