ランニングによる膝や足の痛みを軽減するインソールの効果とは?

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ランナーが抱える悩みの多くは、

  • 膝の痛み
  • 足首の痛み
  • 足裏の痛み

にまつわるものです。

 

今回はこれらランナーの足のトラブルに非常に効果的な、インソールについて解説します。

インソール自体はスポーツシューズだけでなく多くの靴にあるものですが、ランニングにおいてインソールは特に重要なものです。

 

 

そもそもインソールとは?

インソールとは、一言でいえば靴の中敷きのことです。

 

靴の内側、足裏が接する面にあるパーツで、基本的にはすべての靴に買った時から入っています。

革靴などのインソールは接着されていて取れないことが多いですが、ランニングシューズやスニーカーの中敷きは、だいたい簡単に取り外せるようになっています。

 

一般的なインソールは靴屋さんをはじめ、100円ショップでも売っています。

こうした、スポーツ目的以外のインソールには、

  • 中敷きを変えることで靴のフィット性を調整
  • 消臭・抗菌
  • クッション性の改善

といった役割があります。

 

これに対して、ランニングシューズなどスポーツを目的とした靴のインソールは、「スポーツインソール」「機能性インソール」と呼ばれ、一般的なインソールにはない機能を数多く備えています。

 

私は以前、スポーツショップでシューズを買う際、ランニングシューズ売り場のスタッフさん(とても知識が豊富で親切なスタッフさんでした)に、

「高いシューズを買うよりも、そこそこのシューズを買って、良いインソールに交換した方がいいですよ」

とすすめられ、その時からスポーツインソールを重視するようになりました。

 

高いシューズは、通常それだけ機能や性能に優れているはずですが、その分値段は高くなります。

そこのコストを抑えておいて、浮いたお金でインソールを買った方が総合的に良いシューズになる、ということなのです。

 

では、ランニングにおいてインソールに期待される効果にはどのようなものがあるのでしょうか?

 

 

ランニング用(スポーツ用)インソールに期待する効果とは?

スポーツインソールにもいろいろ種類がありますが、主なな効果としては以下の3点があります。

  1. 足裏のアーチを支える
  2. 足裏の圧力を分散させる
  3. 着地の衝撃を緩和させる

 

ではこれら3つについて、それぞれがもたらすメリットも含めて以下で説明します。

 

インソールの効果① アーチを支える

「アーチサポート」と言われる機能です。

アーチとは、主に土踏まずのことを指しますが、足裏のアーチはほかにもあります。

  • 土踏まず
  • 母指球(親指の付け根)から小指の付け根にかけてのアーチ
  • 小指から踵にかけてのアーチ

インソールがこれらのアーチにフィットすることで、アーチが潰れてしまわないように支えるのがアーチサポートです。

 

足裏のアーチは歩行やランニング中に体全体のクッション役を担っています。

スポーツをしていて疲れてくると、アーチを支える筋力がへたってきて、自分の力だけではアーチを保てなくなってきます。

するとクッションとしての役割が弱まってくるので、各関節(足首、膝、腰など)が炎症などのトラブルを起こしやすくなります

アーチにフィットするインソールを付けることで、後半にもアーチ形状が保たれるので、これら関節の怪我防止というメリットが期待できます。

 

関節のトラブルの中でもランナーに特に多いのが、腸脛靭帯炎(別名「ランナーズニー」)です。

土踏まずが潰れてしまうと、着地時に足が内側に傾いてしまう「アンダープローネーション」という状態になりやすいです。

着地でアンダープローネーションになると、膝から下の骨が不自然に傾くため、結果として膝の外側の骨と靭帯がこすれて、炎症が起こります。

従って、走ると膝の外側が痛くなるという人は特に、土踏まずのアーチを支えてやることが改善につながる可能性があります。

 

またソールがアーチにぴったりフィットすることで、着地から蹴りだしの体重移動がスムースになり、ランニング効率が向上します。

ここにあげたメリットだけでも、足裏のアーチの重要性がお分かりいただけるかと思います。

 

 

インソールの効果② 圧力の均一化

ランニングシューズなどに最初から入っているインソールを、取り出して見てみてください。

ほとんどのものはほぼフラットで、厚みもそれほどありません

 

そのため、シューズを履いて立った時の圧力は均等ではなく、かかとや母指球など、特定の部位にほとんどの体重がかかります。

この圧力の集中により、足裏の特定の箇所が痛くなったり、マメができたりします。

 

これに対し、スポーツインソールは足裏にフィットするように設計されていて、足裏の特定の箇所に圧力が集中しないようになっています。

そのため、足裏の局部的なトラブルを予防するというメリットがあります。

 

また、スポーツインソールの多くは「ヒールカップ」と呼ばれるかかとを包み込むような形状をしています。

かかとだけでなく、全体的に外側がせり上がっていたり、足指の形状に合わせるような凹凸があったり、とにかく足裏との接触面積が多くなるように設計されています。

 

これにより、グリップ力が強くなり、靴の中で足が動いてしまわないという効果が生まれます。

結果として、長距離を走っても疲れにくくなる、疲労軽減というメリットが望めます。

LSDなどゆっくり走る練習で、脚の筋力は全然使っていないのになんか疲れる、ということはないでしょうか?

その疲労は足裏からきているかもしれません。

 

 

インソールの効果③ 衝撃の緩和

靴にもともと入っているインソールは結構ぺらぺらなものです。

クッション性の高さをうたったシューズでも、クッション性能が充実しているのはアウトソール(本底)の方であって、インソールはそれほど充実していません。

 

ランニングにおけるクッションとして足裏のアーチが大きな役割を担っているのは前述のとおりですが、ソールのクッション性も大切です。

中でも、足と(ソックスを介して)ダイレクトに接するインソールの柔らかさや反発力は、走りに大きく影響します。

 

特に長時間走るとその違いは歴然としてきます。

硬いインソールで長時間走っていると、足に痛みや疲れが出てくることがあります。

着地の衝撃を特定の部位に受け続けていると、足裏というよりもより足の骨に近い部分に痛みを感じるようになります。

こうした足の痛みはインソールを変えるだけで全く違ってくることがあります。

 

また怪我予防や疲労軽減以外に、快適性というのも大きなメリットです。

足に直接触れる部分が硬いと、走っていて不快感を感じてしまいます。

気持ちよく走れるかどうかも、結果にかかわってくる重要なファクターですね。

 

長距離走をするとすぐに足が痛くなる偏平足ランナーによる、インソールのレビュー記事はこちら:

 

 

ランニングによる脚のトラブルにはインソール交換がおすすめ

ランニングなどのスポーツで使用するインソールについて、効果とメリットをまとめてきました。

いかがでしたか?

 

改めて要点をまとめます。

  1. 足裏のアーチを支える
    • 足首、膝、腰などの関節の怪我防止
    • ランニング効率の向上
  2. 足裏の圧力を分散させる
    • マメなど足裏のトラブル防止
    • 疲労軽減
  3. 着地の衝撃を緩和させる
    • 足の痛み軽減
    • 快適性の向上

 

1,2,3それぞれがお互いに関わっているので、上の分類の仕方はあくまで便宜的なものです。

だいたいこういった効果とメリットが期待できるということが分かっていただければと思います。

 

インソールを変えるだけでランニングのトラブル改善につながったり、それまでよりも楽に快適に走れたりするので、ぜひ試してみてください。

 

あえて最後にデメリットを挙げると、1つはコストです。

ただしこれは最初の方で紹介したように、シューズの予算を少し削って、インソールの方に回す、ということをすれば解決できます。

 

あとは、すべてのインソールが誰にでもフィットするわけではありません。

特にアーチの高さなどは人それぞれなので、アーチのタイプや、足のサイズなどを踏まえたうえでインソールを選ぶようにしてください。