【ランニング練習マニュアル4】トレイルランの始め方、トライアスロンの練習に取り入れるメリットなど

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トライアスロンのラン強化を目的としたランニングトレーニングマニュアルの第4弾。今回はトレイルランニングを取り上げてみます。

舗装された道を走る普通のランニングと違い、未舗装の野山や森のなか、ときには岩場なんかも走るトレイルランニング。

楽しそうだしやってみたいけど、シューズとかウェアとか、そもそもどこを走ればいいかも分からない。そんな方のためにトレイルランの入門的な情報をまとめてみました。

 

トライアスロンの練習にトレイルランを取り入れるメリット

トライアスリートに限らず、トレイルランニングを練習に取り入れるランナーが増えています。その人気の理由と、トライアスリートへのメリットを挙げてみます。

 

舗装路を走るよりもずっと楽しい

体力強化や云々よりも、まず何よりただ舗装路を走るばかりのトレーニングに比べて、トレイル(未舗装路)を走るという行為は単純に楽しいです。

長い上り坂が続いたかと思えば急峻な下りがあったり、木の根や岩場で凹凸があったり、時には小川を飛び越えたり倒木を乗り越えたり。そしてクライマックスには素晴らしい眺望があったりと、トレイルランニングにはエンターテインメント性があふれています。

トライアスロンは3種目の練習があるので比較的トレーニングのバリエーションは豊富ですが、それでも日々の練習は同じことの繰り返しになりがちです。

週末などを利用して時々トレイルランを取り入れると、マンネリの防止になりトレーニングにも張りが出ることは間違いないでしょう。

 

心肺機能の強化

コースにもよりますが、通常のロードランニングだけをする場合に比べて、トレイルランを取り入れることは心肺機能と筋力の強化につながります。

トレイルを走っていて特に実感するのは、小刻みでランダムなアップダウンがあることで心拍数を一定に保つのがままならないことです。平坦な道であれば「心拍数はこれくらいでペースはキロ何分で」という感じでランニングできていても、トレイルではそう簡単には行きません。

心肺機能の強化というとインターバルやレペトレなどきつい練習法が思い浮かびますが、トレイルランニングであれば楽しみながらそれができてしまいます。

また、アップダウンや地面の状態が瞬時に変わったりするので、そうした不意の環境変化にも強くなります。ペースの変え方や呼吸の整え方など、レースでも役立つテクニカルな能力の向上にも役立ちます。

 

筋力の強化

脚の筋力の強化は、バイクで脚を使ってしまった後に走るトライアスロンのランにはまさに求められるところだと思います。

筋力強化に寄与するのは上り坂だけだと思いがちですが、下り坂でスピードをコントロールするためにエネルギーを逃がしながら走るときにも大腿の筋肉をかなり使います。

トレイルランで脚を鍛えることは怪我の予防という観点でもメリットがあります。

未舗装路を走るので逆に怪我をしやすい、という面ももちろんあります。滑りやすい濡れた岩場だったり、足首を痛めやすい細かな凹凸には専用のシューズを履いて注意深く走行する必要があります。

ただ土など柔らかい地面を走ること自体はひざなどに負担がかかりにくく、慣れるまで慎重に走っていれば、トレイルランニングを取り入れることは怪我の面でもメリットの方が大きいと思います。

 

 

トレイルランの始め方

トレイルランニングのメリットは分かってきたので、それでは実際に始めていきましょう。

 

装備を揃える

いきなり上級者向けのコースに行くわけでなければ、装備はまずシューズだけを考えればよいでしょう。

舗装路を走るランニングと比べて、急斜面や滑りやすい足場を走ることもあるトレイルランでは、シューズだけは最初から専用のものを履くことをおすすめします。

ウェア類はまずは普通のランニングウェアでも構いません。

あとは環境や気候、走る時間によって水や食料などを携行するためのバックパックやポーチなどが必要になってきます。このあたりの詳細は後ほど説明します。

 

コースの探し方

トレイルランを始めるうえで装備の次に気になるのが、「どこを走ればいいの?」ということではないでしょうか。

そもそもトレイルとは舗装されていない道を指しますが、公園の遊歩道から、トレッキングルートや本格的な登山道までそのバリエーションは豊富です。

日本よりもトレイルランニングが盛んな欧米では、いたるところにトレイルヘッドと呼ばれるトレイルの出発地点があり、グーグルマップなどでも容易に探すことができます。しかし日本ではなかなかそうはいきません。

トレイルランに適したコースを見つける方法を3つ紹介します。

 

専門ウェブサイトでコースを探す

まずはどんなコースがトレイルランに向いているのかを知るためにも、専門のサイトで紹介しているコースを実際に走ってみるのがいいでしょう。

初心者向けから上級者向けまで、人気のトレイルランニングコースを紹介しているサイトがいくつかあります。なかなか近所で見つけるのは難しいかもしれませんが、お住いの地域から日帰りで行けるくらいのコースなら何とか見つかるのではないでしょうか。

関東周辺の情報が多くなりますが、以下2つのサイトを例として挙げておきます。

RUNNET TRAIL コース - RUNNET - 日本最大級!走る仲間のランニングポータル

東京から日帰りアクセスできる爽快トレランコース特集 週末はトレイルへ!! | RuntripMagazine[ラントリップマガジン]

 

慣れてきたらトレイルランニングの大会公式サイトなどを見て、実際のレースコースを走ってみるのもいいでしょう。ただしレースコースを詳細に紹介している大会は意外と少ないので、コースの探し方としてはややヒット率が低いと思います。

 

グーグルマップで探す

どんなコースがいいかが分かれば、できるだけ近くでトレランコースを見つけたくなると思います。

グーグルマップで探す場合は「ハイキング」「トレッキング」「登山道」などのキーワードで探すのが良いでしょう。

トレイルランニングは通常10km以上、長いものは20km以上を、休憩も入れながら2時間から半日程度かけて行うのが一般的です。なかなかそれだけのコースを見つけるのは容易ではありませんが、いくつかのハイキングコースをうまく組み合わせるなどして自分に合ったトレランコースを見つけられたらラッキーですね。

 

登山ガイドなどを見て探す

結構確実性の高い探し方です。

本格的な山岳ガイド本ではなく、日帰りできるような初級用の登山ガイドがいいでしょう。標高の高い本格的な登山ルートなどはあまりトレイルランニングには向きませんので。

例としてこのような感じの本がおすすめです。

 

 

 

トレイルランに適した季節とタイミング

トレイルランニングはコースによっては通年できますが、冬に積雪や凍結があるような場所は十分な経験と装備が必要です。

夏は高地や森林の中であれば通常のロードランニングに比べて気温が低い中で走れるメリットがあります。ただし真夏は高温多湿であることに変わりなく、長時間走るトレイルランでは十分な量の水分の携行や、帽子をかぶるなど熱中症対策はロード以上に意識してください。

他のアウトドアスポーツと同じく、やはり春や秋が一番気持ちよく走れる季節ですね。

 

時間帯は朝や日中の十分に明るい時間であればOKです。

もちろん照明などはないので、午後の日没が近づく時間は要注意です。暗くなる前に戻ってこられるようにしっかり計画しましょう。

あとは天候にも注意が必要です。

視界が良く、足場がスリッピーでないことが重要です。走るときの天気もそうですが、前日までに雨が降っていたかどうかも気にしましょう。足場が緩かったり岩場が濡れていると、足を滑らせて危険な思いをすることもあります。

 

 

トレイルランの装備-ウェアやシューズはどうする?

トレイルランニングの装備について触れていきます。

 

シューズはトレイルランニング用を!

何はともあれシューズだけはトレイルランニング用のものを履きましょう。

トレラン用のシューズは普通のランニングシューズに比べて以下のような特徴があります。

  • アウトソールがデコボコしていて滑りにくい
  • アッパーが丈夫に作られている
  • 防水仕様のものもある

 

まずは安全のためにソールが滑りにくくなっていることが一番重要です。またいろいろな方向に力がかかるのでアッパーの素材や縫製が破損しにくい丈夫な設計になっています。

通気性の有無はコースによって、水を靴の中に入れたくないか、それとも通気性良く濡れても乾きやすい方がいいかで選ぶことができます。

 

耐水のGORE-TEXモデルではSalomon(サロモン)のシューズなどがメジャーですね。

 

こちらは非耐水モデル。ランニングシューズと言えばのアシックスにもトレラン用があります。

 

 

トレイルランに適したウェアとは?

気温にもよりますが、できれば肌の露出が少ないものが良いです。

下半身はロングタイツ、上半身は長そでのコンプレッションウェアなど、そして頭は帽子またはバイザーなど。

植物の枝葉をかすめながら走ることもあるので、薄手でも肌を保護していると安心感が違います。また森の中のトレイルでは虫刺されも少なくなく、マダニなどの危険な害虫から身を守る対策にもなります。

 

ランニング用バックパック

本格的なトレイルランニングをするならランニング用のリュック(バックパック)が必要になるでしょう。

荷物が少ない場合はランニング用のポーチでも良いですが、レインウェアを持ったり、水や食料の量が多かったりすると専用のリュックが必須になってきます。

ランニング用のリュックは体に密着し、走っても揺れにくいようになっているので、ランニング用以外のリュックで代用するのは厳しいです。

背負ったまま水分を摂れる給水システムが付いたものあります。

 

こちらもサロモンが大きなシェアを握っています。

 

荷物が少なく走りやすさを求めるなら、ネイサンのランニングベストもおすすめです。

 

 

その他トレランに持っていきたいもの

そのほかトレイルランニングに携行するものを挙げてみます。

もちろん必ずすべて必要というわけではないのでコースや環境に合わせて、過不足ないように気を付けましょう。

  • 水(給水システム付きのバックパック、またはランニングフラスクなども)
  • 食料(かさばらない補給ジェル、プロテインバーなど)
  • ファーストエイドキット(バンドエイド、テーピングテープなど)
  • 防寒・防雨具(ポケッタブルパーカなど)
  • スマホ・GPSウォッチ(時計やコンパスなどの用途も含め)
  • 地図(GPSの電波に不安がある場合など)
  • 手袋・軍手(防寒や手指の保護として)
  • ライト(必要に応じて)

 

 

トレイルランニングの始め方-まとめ

ランニング練習の一環として、そしてトライアスロンのラン強化としても大きなメリットのあるトレイルランニングについて、その効果や始め方、必要な装備などを説明しました。

トレイルランをトレーニングに組み込むことで、心肺機能を高め、脚の筋力が強化されます。またさまざまなコースの変化に対応することで、レース中の変化にも強くなります。

装備はまずはトレイルランニング用のシューズを用意すること。バックパックやウェアなどはあとから必要に応じて揃えていけば良いでしょう。

ランニング情報サイトなどを利用してトレランコースを検索したり、グーグルマップや登山ガイドでオリジナルのコースを探してみるのもいいですね。