トライアスロンにおすすめのランニングシューズ7選(ホカオネオネ/オン/アシックス/ナイキ/ニュートン)

トライアスロンの最後のパートであるラン。

このランで重要な役割を担うのが、ランニングシューズですね。

直前のバイクで酷使した脚を保護し、そして前に進めるために、トライアスロンで使用するランニングシューズに求められるものは非常に大きいです。

 

今回はそんなトライアスロンのランパート向けにおすすめのランニングシューズについてまとめます。

シューズに求められる機能・性能や、最近のトレンドも踏まえ、「トライアスロンやるならこれ!」という厳選シューズ7点を紹介していきます。

 

 

トライアスロン用ランニングシューズは必要か?

まず、トライアスロン用のシューズというものが存在します。

トライアスロンブランドであるZoot(ズート)のシューズがその代表格です。

 

普通のランニングシューズと何が違うかというと、

  • 濡れた足でも走りやすいように水はけ・撥水性が優れている
  • 靴下を履かなくても痛みが生じにくい構造になっている
  • トランジッション時間短縮のため、脱いだり履いたりしやすい設計になっている

と言ったところです。

たしかに、それならランパートが抱える課題の解消に一定の効果がありそうですね。

 

では、トライアスロンのランニングシューズは、トライアスロン用のものを使う必要があるのでしょうか

 

結論としては、まったくそんなことはありません。

もちろん前述のような専用シューズのメリットもありますが、ランニングシューズの本分は「走り」です。

専用シューズにとらわれず、安定性やクッション性、反発力、フィット性など、本来のシューズの機能・性能に主眼をおく方が、選び方としては正しいのではないかと思います。

 

 

実際トライアスリートに選ばれているブランドは?

それでは、実際にトライアスロンのレースでたくさん使用されているのはどのブランドのシューズなのでしょうか?

今回は、1500人を超えるトライアスリートが集結する木更津トライアスロンで、その傾向に注目してみました。

実際に統計を取ったわけでもないのでいくぶん感覚的であることはご了承いただきたいところですが、それでも大雑把な傾向はつかめていると思います。

 

まず一番多かったのはやはりアシックスですね。

ランニングシューズではやっぱりアシックスが強い。

それとほぼ同じくらい多かったのがナイキで、完全にこの2ブランドが2強といった印象です。

 

次に多かったのはアディダスだったと思いますが、昔からある定番ブランドで多かったのはここまで。

その次に多く履かれていたシューズとなると、HOKAとONの2大新興勢力でした。

 

HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)は2009年創業のアメリカのシューズメーカー。

大胆なほどに分厚いソールのもたらす最上級のクッション性がなによりの特徴です。

 

ON(オン)は2010年創業のスイスメーカー。

こちらも独特なソール形状が持ち味ですが、スイスブランドらしいファッション性の高さも人気の理由です。

 

ホカにしてもオンにしても、日本のランニング愛好者の間で認知度が高まっていますが、ことさらトライアスロン界においてはすでに一定のシェアを占めています。

この記事でも、ホカとオンの2ブランドはイチ押しで行きたいと思います。

 

一方ZOOTなどのトライアスロン用ランニングシューズはわずかしか見かけませんでした。

やはり着脱の容易さと速乾性だけでは、購買のモチベーションにはちょっと足りないと言ったところでしょうか。

それに最近では、本国でのブランド買収の関係で以前のように入荷ができなくなった(ショップ関係者)などの事情もあるようで、ZOOTの入手はこれまでにも増して難しくなっているようです。

この記事ではトライアスロン用シューズにこだわらず、トライアスロンのランパートを想定したうえで、それに適したシューズを紹介していきたいと思います。

 

 

トライアスロンにおすすめのランニングシューズ7選

ではここからは、おすすめのランニングシューズを1つ1つ解説付きで見ていきたいと思います。

 

ホカオネオネ クリフトン

日本での認知度においてはオンに遅れをとっていたホカですが、2019年木更津トライアスロンにおける着用率はオンよりも高かった印象です。

やはりバイクで疲弊した脚を保護したいというニーズが、ホカの究極的なクッショニング性能とマッチしているという事でしょうか。

 

クリフトンはホカの顔ともいえるモデルで、軽さと高いクッション性を両立したホカシューズを存分に堪能できるシューズです。

履いて走ってみた感想は、とにかく「超ソフト!!」です。

普通のランニングシューズに慣れている人は、あまりのソフトさに「スピードには不利なのでは?」と不安になりかねないくらいです。

 

おそらくその点をカバーするのが、メタロッカーと呼ばれるミッドソールの設計です。

ホカのミッドソールは車輪にたとえられますが、つま先とかかとが跳ね上がったロッキングチェアのような形状をしています。

この形状がまさに車輪のように働き、着地から蹴り出しまでのスムースな足運びをサポートしてくれます。

脚の筋力が低下していても自然と足を前に運べるので、この点もトライアスロン用ランニングシューズとしての要求を満たしていますね。

 

個人的にやや難点なのは見た目で、代名詞である分厚いソールのせいで普通のシューズに比べてぼてっとした印象が否めません。

外見上あまりスマートとは言えないので、その点に関してはオンの方に軍配が上がりそうです。

 

クリフトンは個人的にも使用しているので、こちらにレビュー記事があります。

【ホカオネオネ クリフトン】異次元のクッションを履いて走ってみた | triathlista

 

ホカオネオネ リンコン

クリフトンなどホカのニュートラルモデルに新たに加わったのがリンコンです。

リンコンの最大の特徴は、見た目にそぐわないその軽量性です。

クッションはクリフトンと比べるとやや控えめで軽さを追及しているので、クリフトンよりもややスピードタイプのシューズと言えます。

 

クリフトンのソールが「ソフト過ぎる」と感じる方にはちょうどいいかもしれません。

私も走ってみた感覚として、リンコンのソフト感の方が抵抗なく受け入れられました。

 

ホカのスタッフさんに聞いたところでは、ホカシューズは歩幅を大きく取るストライド走法のランナーより、小幅で多くの歩数を走るピッチ走法のランナーの方に、より多く恩恵があるということです。

メタロッカー構造のメリットは、着地から蹴り出しにあまり筋力を使わず、車輪が転がるように自然に前進することです。

それが小股でかかとまたはミッドフッドで着地するランナーに一番高い効果をもたらすという事なのです。

 

あと細かいことですが、ホカシューズの特徴のひとつが、シューズにかかとを入れる時に指を入れて引き上げられるよう、かかとのところに輪っかが付いていることです。

これもトランジッションでのメリットになりそうなので、トライアスリートにとってはうれしいですね。

 

オン クラウドフロー

「アイアンマンの世界記録を樹立したシューズ」が謳い文句です。

その時点ですでにトライアスリートの心は鷲掴みですね。

 

重量が220g(メンズ26.5cmの場合)とかなり軽量です。

そのうえクッション性と反発性が高く、トレーニングはもちろん、レースにも向いています。

 

私もクラウドフローを使っていますが、初めて履いた瞬間からフィット性の良さを感じました。

履き心地は抜群に良いです。

これは人にもよると思いますが、素足で履いても走りやすいシューズだと思います。

 

アッパーが柔軟性・通気性の高いメッシュ構造で、足元が濡れることの多いトライアスロンではありがたいです。

トライアスロンのレースでは路面に水が溜まっていることがありがちで、またエイドで水をかけてもらったりするのでシューズが濡れて重くなることがあります。

せっかくの軽量シューズも水を吸っては重くなってしまうので、水はけのよいシューズというのは本当に助かります。

 

オンシューズのアウトソールでクッション性を高めている突起状のパーツは、「クラウドパーツ」と呼ばれます。

フローはこのクラウドパーツが1つ1つ独立していて、反発力が高い上に屈曲性も高いので、前への推進力が(オンの言葉を借りれば)爆発的に良いです。

個人的には非の打ちどころのないシューズかな、と思っています。

 

クラウドフローは私の好きなシューズの一つです。こちらのレビュー記事も合わせてどうぞ。

トライアスロン人気No.1ランニングシューズ「On Cloudflow(オン クラウドフロー)」のインプレ | triathlista

 

オン クラウドストラトス

クラウドストラトスは、これまでのオンシューズとは一線を画す存在のシューズだと思います。

最大の特徴は、史上初の2層構造のクラウドテック(アウトソールのクラウドパーツを用いたテクノロジーの事)です。

通常の1層構造に比べて、これまでになく高いクッション性を実現しています。

 

オンシューズを履きたいけど、クッション性は最大限に求めたい、という人におすすめのシューズになっています。

 

クッション性と安定性が向上した一方で、重量は重くなり、見た目的にもオンシューズらしい軽やかさがやや損なわれている印象です。

他社の初心者向けスタビリティモデルなどからの履き替えであれば、さほど気にならないかと思います。

 

アシックス ゲルフェザーグライド

ランニングシューズの王様アシックスなので、多くのトライアスリートに選ばれていますが、ここではゲルフェザーグライドというシューズをおすすめしたいと思います。

 

ランでの足の保護に高いクッション性が必要、というのももちろんですが、アシックスのGTやNewYorkといったシリーズだとやはり重量が気になります。

またそうしたビギナー向けモデルは水も含みやすくさらに重くなるので、トラアスロンに向くかというとちょっと疑問です。

そこで、一定のクッション性と安定性を持ちつつ、やや軽量なモデルというとこのゲルフェザーグライド辺りになると思います。

 

またこのシューズの特徴の1つに、「アーチサステイン」があります。

これは、温度の影響を受けにくい素材でミッドソールのアーチ部をサポートする構造です。

長距離を走って足底が疲れてくるとアーチがへたってきます。

限界に挑戦するトライアスロンのランでも、最後までアーチを維持して本来の走りをし続けるには、とてもありがたい設計ではないでしょうか。

 

ナイキ ルナテンポ

ナイキもさまざまなモデルのランニングシューズがありますが、ここではルナテンポを挙げたいと思います。

 

このシューズの良さは、ずばり快適性です。

アッパーのメッシュが通気性を高く保ち、軽量でフィット感が良く、ソックスのような履き心地と称されるほどです。

ミッドソールはLunarionフォームというやつで、快適で反発力に優れたクッション性能を持ちます。

 

価格的に他のシューズに比べて安価なので、練習用として持っておくというのもいいかもしれませんね。

 

 

ニュートン グラヴィタス

実はトライアスリートには結構人気のあるニュートン

アメリカのブランドですが、ランナーやランニングコーチがアスリート目線でいいシューズを作ろう、と言って設計しているランニングシューズメーカーです。

 

ニュートンの特徴はまずアウトソールにあります。

母指球の下あたりに「ラグ」と呼ばれる凹凸のあるでっぱりがあります。

このラグは真横から見ても分かるくらいでっぱっていて、テコの作用で足を地面から引き上げてくれる働きをします。

これにより、着地→踏み込み→踏み出しの一連の動作に過剰な筋力を使わず、効率よく前に進む推力を得ることができます。

 

また設計者たちのこだわりは履き心地にも表れていて、アッパーはストレッチ性の高いシームレスな構造で、通気性も良く快適な点はトライアスロン向けと言えますね。

 

少し価格的には高めのシューズになりますが、ランナーのエリート集団がこだわりぬいて作ったシューズを体感してみてはいかがでしょうか?

 

 

トライアスロン向きのランニングシューズ-まとめ

いかがでしたか?

実際にトライアスリートたちに選ばれているシューズブランドから、トライアスロン専用シューズの是非、そしておすすめシューズ7選を紹介してきました。

 

トライアスロンは、スポーツの中でも特に多くの道具を使用しなければなりません。

その道具の中でも、選択肢がたくさんありすぎて迷ってしまうのがランニングシューズではないでしょうか?

 

ここに挙げたシューズはほんの一部ですが、トライアスロンのランパートというところで考えると、どれも甲乙つけがたい優秀なシューズたちだと思います。

ぜひ参考にしていただければと思います。