シリーズでお届けする「トライアスロンのルール」。
初心者から中級者向けに、トライアスロン大会におけるルールを改めて整理していきたいと思います。
初回となる本記事では、スイムのスタート方法などについて説明していきます。
トライアスロン大会のスタート方法は大きく3種類
ご存知の通り、トライアスロンのスイムは海や湖などのオープンウォーターで行われるのが一般的です。
そのスタート方式には、主に以下の3種類があります。
フローティングスタート
スタート前に入水して立ち泳ぎで待機し、スタートの号砲がなったらそのまま泳ぎ始めるという方法です。
一般の大会ではこの方式がもっとも多いのではないかと思います。
「立ち泳ぎしながら待つなんて、スタート前に疲れちゃうんじゃない?」
と初めての方は思うかもしれません。
しかしウェットスーツを着ていると普段よりも楽に浮いていられるので、実際には気にするほど疲れはしないと思います。
ただ大会の規模や運営次第ではスタートの合図まで結構待たされることもあるので、不安であればブイなどつかまっていられるものの近くに陣取ると良いでしょう。
フローティングスタートはとくに最初の位置取りが序盤の泳ぎに影響します。
立ち泳ぎしながら待っていると、もう既にレースは始まっているんだなという気持ちになってきます。
陸からスタート
浜辺や岸辺から走ってスタートする方式です。
こちらも一般的ですが、海水浴場などスタートエリアから走って入水できるような会場に限られます。
マラソン大会のように立って待機していればいいのは楽ですが、初めての場合どのタイミングから泳ぎだせばいいのか戸惑うかもしれません。
入水してもいつまでも走って(歩いて)いたのではタイムロスになるので、泳げる深さ(だいたい膝くらい)まできたらどんどん泳ぎだしましょう。
飛び込みからのスタート
出典:JTU
オリンピックや世界選手権など、エリートの大会は飛び込みスタートが基本です。
ポンツーンと呼ばれる桟橋にゼッケン番号が書いてあって、選手は自分の番号のところで待機し、号砲とともに飛び込みます。
エイジグループのレースではこの方式はほとんどないので、フローティングか走ってスタートのいずれかと思っていいでしょう。
一般人だって一度くらい飛び込みスタートをやってみたいですが、慣れない飛び込みでスタートからゴーグルがずれて海水が入ってきたりしたら痛いですよね。
一斉スタートかウェーブスタートか
スタートの方法は前述の3方式に加え、一斉スタートかウェーブスタートかにも分類されます。
一斉スタートはそのまんま、全員一斉にスタートです。
これは基本的に参加者の少ない大会に限定されると思います。
ウェーブスタートは、あらかじめ申請した持ちタイムなどからグループ分けされ、時間差でスタートする方法です。
基本的に持ちタイムの速いグループ(第1ウェーブ)から先にスタートして、5分おきや10分おきなどで、第2ウェーブ、第3ウェーブと続きます。
事前に配布されるスイムキャップの色などでウェーブを区別したりするので、よほどボーっとしていなければ間違えることはないでしょう。
スイムスタート直後のバトルは要注意?
スイムスタート直後のバトルはトライアスロンの醍醐味のひとつですね。
ただここでダメージを負ったり、必要以上のエネルギーを使ってしまうと先の長いレースに差し支えるのでやはり要注意です。
基本的には自分と近い泳力の集団にいたほうがいいので、ウェーブスタートとは言っても泳ぎに自信がなければあまり前の方にはいかないほうが無難です。
またスタートしてからのコース取り、最初のブイ(コーナー)はどのあたりで左右どちらに曲がるのかなど、あらかじめ集団の流れをイメージして位置取りを決めたいです。
インコースでバトルをいとわず最短距離を目指すのか、アウトコースをとって距離は長くなっても安全な道を行くのか、そういった戦略でレースは大きく変わってきます。
レースでのバトルを切り抜けるためには、そのための練習というのもあります。
スイムトレーニングの一環としてこちらの記事に記載してあるので、宜しければご参照ください。
スイムスタートのルール-まとめ
出典:JTU
さて、トライアスロンのルールシリーズ、第一回はスイムスタートについてでした。
スイムのスタート方式としては、
- フローティングスタート
- 陸から走ってスタート
- 飛び込んでスタート
の3種類がありました。
また、スイムの混乱を避けるため、一定以上の規模の大会ではいくつかのウェーブごとにスタートする「ウェーブスタート」が採用されています。
長いレース最初のスタートがうまくいくかどうかは、レース全体を左右しかねません。
良い準備をして、スムースなスタートを切りましょう。