トライアスロンのレースやトレーニングで、腕時計ってどうしていますか?
トライアが観んやスロンなどマルチスポーツ用モデルでは、いまやGPSのついたモデルが主流になっています。
時計ですからもちろんタイムを計ることが主目的ですが、
- GPS機能が付く⇒トレーニングの記録や管理がかんたんになる
- さらに心拍計も併用⇒トレーニングの強度や効率が把握しやすくなる
ということになります。
マルチスポーツウォッチは競技のプロファイルやデータ解析などのソフト面も充実しているので、使用目的や効果もどんどん広がってきています。
そんなGPSマルチスポーツウォッチですが、多機能であるが故に違いが分かりにくく選ぶのは一苦労です。
そこでこの記事ではトライアスロンのレースとトレーニングでの使用を前提に、
・それぞれどんな機能があるのか?
・性能の違いは?
など、比較検討しやすいように掘り下げて説明していきたいと思います。
もちろんトライアスロンなので「防水機能」「軽量、フィット性」という基本を押さえたうえで、コスパも重視していきたいと思います。
GPSなんか要らないからもっとシンプルで安い時計が欲しい、という方はこちらをご覧ください。
Suunto(スント) Spartan Sport (スパルタン スポーツ)
トライアスロンなどのマルチスポーツ向けスポーツウォッチの代表格、スントの定番モデル。
高機能なスポーツウォッチで、多くのトライアスリートから絶大な支持を受けているのがこのスントですね。
スントは設立は80年以上前と歴史があり、革新的な技術とデザインで最先端の腕時計を作り続けているメーカーなんです。
なかでも環境性能を売りの1つにしていて「世界で最も過酷な環境でテストを実施」という謳い文句があるくらいです。
本社はフィンランドのヘルシンキ郊外にあり、ほとんどの製品は本社工場で作られています。
ちなみにスントというのはフィンランド語のSUUNTO(スーントと発音)で、「方向」という意味だそうです。
このスパルタンスポーツというモデルはスントのGPSウォッチの中ではミドルクラス的なモデルで、比較的リーズナブルな価格になっています。
バッテリーの持ち時間が長く、トライアスロンなどのエンデュランススポーツに適しています。
デザインもシンプルで洗練されているので、日常的に身に付けていたくなる腕時計ですね。
レースにもトレーニングにも便利な機能がたくさんありますが、特に使える機能としてプリインストールされている80種類を超えるスポーツモードがあります。
水泳、サイクリング、ランニング、トライアスロンを始め、アウトドア系のスポーツに対応しています。
各モードを選択することで、それぞれのスポーツに特化した測定基準でデータが表示され、分かりやすく手間もなく、トレーニング効率が格段に上がります。
初めてのGPS付きスポーツウォッチとして初心者にもおすすめです。
耐水性能は100mでスイムにも安心です。
さらに低コストモデルの「スパルタン トレーナー」というモデルもありますが、スパルタンスポーツが100m/10気圧防水であるのに対して、スパルタントレーナーは50m/5気圧防水です。
主な用途にトライアスロンとあるのでNGとも言い切れないのですが、5気圧防水はやはり不安が残ると思います。
トライアスロンで使う時計の防水についてはこちらの記事をどうぞ:
Suunto(スント) 9 (ナイン)
さらに長いバッテリー持続時間と、衛星受信機能などがグレードアップした上位モデル。
上位モデルのスント ナイン、スタイリッシュなデザインが魅力的ですが、もちろんかっこよくなっただけではありません。
最大の売りは、
- 長いバッテリーライフ
- 衛星の受信機能が優秀で測位システムの精度が高い
という点です。
バッテリーライフはGPSの受信精度によって違ってきますが、最長120時間(精度OK時)、最短で25時間(精度BEST時)となっています。
スパルタンスポーツが最長45時間/最短8時間(時計表示だけなら10日間)なので、大きく向上しているのが分かると思います。
8時間を超えるトレーニングはなくもないですが、25時間を超えるトレーニングってなかなか無いですよね?
衛星システムは、GPS、GLONASSに加え、QZSS(みちびき衛星受信機能)がついたことで精度が向上しています。
この優秀な受信機能と、モーションセンサーデータ(加速度センサー)が組み合わさることによって、距離と軌跡が高精度で計測できるようなシステムになっています。
他にも、スパルタンスポーツとの違いはいくつかあります。
- レンズやケースの素材が強化されてグレードアップ
- 心拍数データに基づいて毎日の消費カロリーを追跡
- 安静時の心拍数を毎日追跡
手首で心拍数の測定ができる点はスパルタンと同様で、ポイントが高いですね。
スントの最上位モデルは気圧高度計がついていますが、トライアスロンでの使用を考えたときに、これはコストの割にあまり必要のない機能ではないかと思います。
なのでトライアスロンで使用するには、このスント9が事実上最高位のハイエンドモデルと言っても過言ではないかもしれません。
それだけに価格はそれなりにします。初心者には少し敷居が高いかもしれませんが、使いこなせれば最強です。
GARMIN(ガーミン) Instinct (インスティンクト)
今やGPSウォッチの代名詞ともいえるガーミンの最新マルチスポーツウォッチ。
Garminは1989年設立のアメリカの会社です。
GPS時計の一大旋風を巻き起こし、一気にその認知度を高めたのはここ数年のことだったように思います。
元々は航空業界でのGPSナビゲーション製品から始まっているので、衛星での測長システムに関してはとても信頼性が高いです。
このInstinctという時計は、Gaiminの最新の高い基本性能と豊富な機能が盛り込まれていて、リーズナブルな価格設定ながらトライアスロンも十分に使えるスポーツウォッチです。
GarminのGPSウォッチのストロングポイントとして特筆すべきは、
- コスパが良い
- タフさ
- 高精度な測位システム
です。
耐熱性、耐衝撃性、耐水性において、国防総省MILの規格である「MIL-STD-810G」に準拠しているということです。
そんな規格の名称を持ち出されてもピンとこないと思いますが、衝撃に強く傷もつきにくく、またスイムでの水圧にも滅法強い、ということですね。
バンドもシリコン製でフィット性が高いのもアスリートとしては大事なポイントですね。
測位システムは、Suunto9で出てきたGPS、GLONASS、QZSS(みちびき)に加えGalileoという衛星測位システムを使用しています。
それと本体内蔵の3軸電子コンパス、気圧高度計により、電波の受信しにくい場所でも測位ができるようになっています。
せっかくGPS時計を使ってるに、気づいたら計測されてなかった…なんてことになったら最低です。
各種口コミ情報を覗いてみても、やはり測位システムの精度については他のメーカと比べてもガーミンを推す声が多いようですね。
ベーシックな機能と性能を満足しつつ、信頼性の高い測位システムを低価格で手に入れたいという人には、このGarminのInstinctがおすすめです。
GARMIN(ガーミン) ForeAthlete 935 (フォア アスリート 935)
ランニングフォームの解析までできる、光学式心拍計のついたプレミアムなGPSウォッチ。
ガーミンのマルチスポーツ向けスポーツウォッチの中でも上位に位置するモデルです。
バッテリーライフも長く(GPSモードで最大21時間、スマートウォッチとしてなら最大2週間)、トライアスロン用のマルチスポーツ機能もあるので、まさにトライアスロンでの使用に最適で、アイアンマンやウルトラマラソンなどでの使用にもうってつけです。
複数のアクティビティプロファイルがボタン一つで切り替えられるので、「機能が複雑でわからない」という人も、時計におまかせでトレーニングの効率化ができてしまいます。
GarminなのでGPSの優秀さやハイスペックな基本性能はもちろんのこと、ForeAthlete 935にはトライアスロンなどのマルチスポーツで使える多種多彩な機能が盛り込まれています。
その中でも特筆すべきなのが、ランニングフォームの解析までできるランニングデータ測定機能です。
これは別売りのランニングポッドを装着することで、自分のランニングダイナミクスが可視化できる機能で、ピッチや歩幅、設置期間、バランス、上下動、上下動比などデータが取得できるというものです。
自分がどんな風に走っているのか、ピッチやストライドはどの程度か、どんなクセがあるのかなど、自分ではなかなかわからないものです。
この機能ではランニングフォームを構成する要素を数値で示してくれるので、自分のランニングの特徴や修正点を知るこの上ない材料になります。
この機能はランニングだけでなく、スイムやバイクでも使えるので、3種目すべてにおいてフォームの改善、タイム向上のきっかけがつかめるのではないでしょうか。
それにしても時計が自分のことを何でも知っていて、トレーニングの管理までしてくれるなんて、えらい時代になったものですね。
これだけいろいろな機能があると、使いこなすのが大変かもしれません。
自分は機械音痴だ、という方にはちょっと不向きかも知れませんが、「あの機能が欲しかったとか後悔したくない人」にはGarmin ForeAthlete 935がおすすめです。。
何気に忘れてはいけない重量も、49gと他のメーカーと比べても軽く設計されていて、レースの邪魔にならないのがうれしいですね。
GARMIN(ガーミン) fenix5s (フェニックス 5s)
高級感を持つガーミンのマルチスポーツウォッチ。
すっかりGPSスポーツウォッチ界を天下統一したようなガーミンですが、ForeAthlete935並みの高機能・高性能を維持したまま高級感のあるおしゃれ路線のモデルがフェニックス5sシリーズです。
フェニックス5sシリーズにはデザインの違うモデルがいくつかありますが、「サファイア」や「シャンパンゴールド」など、高級感を前面に押し出したものが目立ちます。
スポーツウォッチらしいごつごつ感もなく、ベルトも簡単に変えられるので、スポーツ用だけにしておくのは到底もったいなくて、オンオフ問わずずっと付けていたくなるような時計ですね。
時計だけであれば最大9日間バッテリーも持つので安心です。
Polar(ポラール) Vantage V (バンテージV)
心拍系には定評のあるポラールのGPSウォッチ。
私が初めて心拍計機能付きの時計を購入した(確か)15年くらい前は、「心拍計といえばPolar」という感じだったように思います。
もちろん今でもウェアラブル機器の分野で最先端を走り続けています。
このVantage Vは、トライアスロンに必要な機能がすべて搭載されたハイグレードなモデルです。
「心拍計といえばPolar」なので、ストロングポイントはやはり心拍計の精度と信頼性ですね。
「Polar Precision Prome」というハイブリッド手首型心拍センサーが搭載されているのですが、何がハイブリッドかというと、光学式の心拍測定と、皮膚接触によるセンサーを併用しているのです。
この2種類のセンサーを組み合わせて保管することで、誤計測や計測エラーを排除し、どんな状況でも高精度な心拍計測が可能になっています。
そのほかにも、
- トレーニングやリカバリーの管理
- スイムやランの解析
- 睡眠やカロリーなど日常生活の管理
- 多数のスポーツプロファイル
- パーソナルなトレーニングプランの取得
などなど、アスリートに役立つ機能が満載です。
ガーミンとスントのGPSウォッチ頂上対決 あなたはどっち派?
GPSスポーツウォッチにおいてはガーミンとスントがトライアスリートからの人気をすっかり二分していると言って過言ではないでしょう。
上で紹介したポラールを始め、エプソンなども善戦しましたが、やはりモデルの多様性やGPSの性能、入手性なども踏まえて前述の2社が他を圧倒しています。
そうすると、ガーミンとスント、一体どっちを選んだらいいのかと悩ましいですが、そんな難しい問いにはさすがに答えられません。
ファッションの一部ですので、最後に迷ったら見た目で決めてしまうのがいいかもしれませんね。
とは言え比較検討の一助になればと、今回紹介した時計のサイズと重量、バッテリーの持ちや参考価格など、比べやすいものを並べてみました。
ご参考まで。
※参考価格は2020年6月現在、インターネットのショッピングモールにて最安値を独自に調査したものです。
バッテリー持続時間などは設定は使用状況にもより、一概に比べられない場合もあるのでこちらも参考まで。
こうしてみるとサイズはともかく、重量の違いは結構気になるかもしれませんね。
いやー、やっぱり自分はGPSとか心拍計とかはいいっす、時計とかラップ計測とか防水とかさえしっかりしててくれれば、という方はこちら。
トライアスロン向きのおすすめスポーツウォッチ まとめ
いかがでしたか?
3つのメーカー、6つのモデルのGPSスポーツウォッチを紹介しました。
改めてみるとどれも捨てがたいのですが、メーカの特色というのはある程度クリアになっているように思います。
- スント:北欧のセンスと高い環境性能
- ガーミン:測位システムの精度と安定性は盤石
- ポラール:高精度で信頼性の高い心拍計
競技を続けていると、どうしてもタイムやモチベーションといった壁にぶち当たることがあります。
しかも何度でもあります。
そうしたときに自分で分析をして、解決策を見つけられればいいのですが、いつもそれができるとは限りません。
今回紹介したような高機能なGPSウォッチは、トレーニングのモチベーションや効率を上げたり、問題点や解決策見つける手助けになったり、あるいはレースでサポートをしてくれたりします。
そんな長く付き合えるこの上ない相棒を、手に入れてみませんか?