さて、この記事をクリックしてくださったあなたは、きっとトライアスロンに興味を持っているはずです。
そしてこうも思っているかもしれません。
「ちょっとやってみたいけど、泳いで自転車こいで走るなんて無理っしょ」
あるいはこうかもしれません。
「自転車と走るのはできそうだけど、何キロも泳げるわけないし」
それともこうでしょうか。
「学生の時に水泳やってたから泳ぎは得意だけど、走るだけは昔から苦手…」
分かります。
私は、水泳、自転車、長距離走、どれをとっても昔から得意なものなんてありませんでした(今だって全然そうですが)。
トライアスロンを始めるまでは、
- 水泳は50mより長く泳いだ記憶がなく、
- 自転車はママチャリしか乗ったことがなく、
- 走るのは小中学校のマラソン大会で「中の上」から「中の下」を行ったり来たり、
といったところでした。
なのでトライアスロンに対してハードルを感じるのは、とてもよく理解ができます。
そしてあなたはきっとこうも思っているはず。
「どうせこの記事、『大丈夫、もちろんあなたにもトライアスロンはできます』とか言うんだろうな」と。
さてそれはどうでしょうか。
それほど長くないので、最後までお読みいただけると幸いです。
トライアスロンは本当に誰でもできる?
運動能力で言えば、以下のような条件を満たせば、トライアスロンを始めるにあたっての条件をクリアしていると個人的には考えています。
(障害をお持ちの方は、パラトライアスロンの競技人口も増えてきていますが、パラについてはほとんど知識がないのでここでは割愛させていただきます。)
バイク:自転車に乗れる
ラン:10分程度ジョギングができる
どうでしょうか? この条件、クリアできていますか?
例えば50mクロールで泳げる人は、ちゃんと息継ぎをしながら泳げているはずです(驚異的な肺活量の持ち主でなければ)。
であれば泳ぎ方の練習と持久力のトレーニングで、キロ単位の距離を泳げるようになると思います。
バイクとランについては、自転車を普通に乗りこなすことができて、10分程度続けて走ることができるならば、競技に必要な基本的な運動ができているということになります。
であれば、あとは筋持久力とスタミナをつけていけばいいのです。
過去の得意不得意という記憶には、どうしても速い遅いという要素が絡んできています。
しかしトライアスロンを始めるうえで心に留めておきたいのは、「ゴール(目標)は自分で決めるもの」ということです。
「トライアスロンは誰でもできるスポーツ」というのは、そういうことを言っているのです。
本当に本当に、誰でもできる?
運動能力という側面での条件は前述のとおりですが、ではそれだけで十分でしょうか?
それがそうでもないんですね。
では何が必要でしょうか?
気合いでしょうか? 根性でしょうか? それとも鋼のように強靭な精神力でしょうか?
そういった根性論的な面もあります。
「継続は力」の世界なので、時に自分に鞭打ってトレーニングに駆り立てることも必要な時があります。
しかしメンタル面で言えばそれ以上に大切なのが、冷静な判断力です。
例えば、
- 練習をしていて違和感を感じた。今週は練習ノルマに達してないから無理してでもやりたいけど、長い目で見て判断して休養を取った。
- 大会直前に風邪をひいてしまった。せっかく準備してきたんだから出場したいけど、体のほうが大事。泣く泣く欠場という決断をした。
というようなことです。
トライアスロンは誰にでもできる反面、過酷で危険を伴うスポーツでもあります。
また、長期的に見るとほとんどの人が身体に何らかの故障や不具合を抱えながら競技を続けています。
自分の体と真剣に向き合い、心は熱く、頭はクールに、を実践できることこそが、運動能力以上にトライアスリートに求められる資質と言えるのではないでしょうか。
トライアスロンの危険性について別記事で触れているので、よろしければご覧ください。
トライアスロンを始めるにあたって、ほかに障害となりえるものは?
障害という表現が正しいのかどうかわかりませんが、トライアスロンをやる上で避けて通れないのが「お金」と「時間」の問題です。
まず「お金」は、やはり結構かかります。何にかかるかと言えば、
- 自転車
- レース出場費用
- ウェア類
などが大きいですね。
正直、「誰にでもできる」と言いつつ、趣味に一定額の費用を投じることができるか否かといったところも、最初に考えておかなければならないポイントだと思います。
具体的なところは、こちらも別記事まとめているので、あとでチェックしてみてください。
「時間」も多くのトライアスリートが苦労しているポイントです。
トライアスロンをやるからには、スイム、バイク、ランの3種目すべてのトレーニングをする必要があり、しかもエンデュランススポーツ(持久系競技)ですから、それぞれにそれなりの時間を要することになります。
とはいえ、です。
時間の問題はその他の問題に比べれば何とかなる、というのが個人的な見解です。
仕事が遅くて夜時間がないのであれば朝やればいいし、朝も起きられないのであれば昼休みだってできます。
それも無理なら通勤時間にバイクやランの練習を組み込むことを考えればいいし、休日にがっつり練習を詰め込むことだってできます。
時間の問題が一番根性論なのかもしれませんね。
時間のやりくりは何とかなるはず、という根拠の一つは、忙しい企業の経営者や芸能人などにトライアスロンをやっている人が多い、という事実があるためです。
興味のある方はこの記事をご覧ください。
トライアスロンを始めようか迷っている方へ
ではまとめです。
最後にあえて言いますが、あなたにも、きっと、トライアスロンはできます。
前述の運動能力の条件を満たし、必要最低限の出費ができて、余暇の時間をある程度トライアスロンにコミットする心構えがあれば、基本的にはできるはずです。
ただし、ですね。
一方でトライアスロンは、体力の限界に挑むような過酷なスポーツです。
また自然の中で行うこともあって、危険もたくさん潜んでいます。
なのでトライアスロンと真剣に向き合う覚悟がなければ、トレーニングを継続して、レースに出場して、長期的に続けていくことはできないかもしれません。
なんだかポジティブなのかネガティブなのかはっきりしない記事になってしまったかもしれません。
今一度、トライアスロンのいいところを再認識したい、という方にはこちらの記事がお役に立てるかもしれません。