ピッチ走法とストライド走法 – それぞれの特徴とメリットについて

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ランニングにおいて走り方の肝となる「ピッチ走法」と「ストライド走法」

「何となく意味は分かってるんだけど、そういえば自分の走り方ってどっち?」という方も少なくないでしょう。

今回は、ピッチとストライドの定義から、メリット/デメリット走り方のコツやどんなランナーに向いているかに至るまでを記事にまとめます。

 

  • そもそもピッチとストライドって何?という方
  • ランニングフォームの見直しを検討している方
  • タイムや距離が伸び悩んでいる

ぜひとも参考にしていただきたいと思います。

 

ピッチ走法、ストライド走法とは何か?

まずはランニングにおけるピッチとストライドの定義から。

 

ピッチ・・・歩数。1分間あたりの接地回数。
ストライド・・・歩幅。1歩あたりの距離。
となります。

理系の方には「ピッチ=周波数」「ストライド=周期」とするとしっくりくるかもしれません。

工業英語では、ピッチ(pitch)は、ねじの山と山の間の距離を表す単語だったりもするので、少し紛らわしいですね。

 

上記の定義から、「ピッチ × ストライド = 1分間で進む距離」という式が成り立ちます。

つまり走るスピードは、ピッチにもストライドにも比例して上がるということになります。

 

以上を踏まえて、ピッチ走法、ストライド走法とは次のような走り方を指します。

 

ピッチ走法・・・歩幅は小さめで、歩数を多くとる走り方
ストライド走法・・・歩数は少なめで、歩幅を大きくとる走り方

 

上に示した「ピッチ × ストライド = 1分間で進む距離」の式から、ピッチもストライドも両方増やせればもちろん一番速くなるのですが、もちろんどちらも体への負荷は増すわけですから、そんなにうまい話があるわけもありません。

一般的にはピッチを増やすか、ストライドを増やすか、そのトレードオフになります。

 

 

メリットとデメリットは?

すると当然、ピッチ走法とストライド走法、どっちが有利なの?という疑問が湧くと思います。

そこは個人の技量や筋力、競技レベルにもよりますが、それぞれの走法にメリットとデメリットがあるので、それらとの兼ね合いで選択していくことになります。

 

ピッチ走法のメリット/デメリット

ピッチ走法の最大のメリットはずばり、筋肉や関節への負担が軽いことです。

歩幅が小さく体の上下動も小さいので、着地時の衝撃が軽くてすみます。

歩幅を減らした分、着地の回数は増えてしまうわけですが、着地の衝撃を小分けに受けたほうが長い距離を走った後の筋肉や関節へのダメージは軽くなります。

 

また坂道におけるメリットも大きいです。

登りに関しては、自転車で坂を上るときにギアを軽くして数多くペダルを回すのと同じことです。

登りで歩を進めるには筋力が必要になりますが、一歩を小さくすることで、比較的容易に上れるようになります。

下り坂では、ストライドが大きいと着地時の衝撃もその分大きくなります。

ストライドを小さくすることで、スピードの上では不利になるかもしれませんが、膝などを衝撃から守ることができます。

 

デメリットとしては、足の回転を速くしなければならないため、その分心肺機能への負担は増します。

特に10kmなどハイスピードなレースを想定した場合、ピッチを上げていくだけでは限界があります。

一般的にピッチ走法はフルマラソンなどの長距離向きだと言われるのはそのためです。

 

ストライド走法のメリット/デメリット

ストライド走法の最大のメリットはずばり、スピードが出しやすいことです。

ピッチを上げると心拍数も上がってしまうので、一定のスピードを超えると急激に対応しきれなくなってきます。

ストライドを稼ぐことができれば、比較的「楽に」スピードに乗ることができるというわけです。

 

オリンピックの10000mなど観ていても、すらっと長い脚で大股にかけていくアフリカや欧米の選手がぶっちぎっている光景が多く、「うん、これは敵いっこない」という気持ちになります。

ただしもちろん、大股で力強く走るのはそれなりの筋力が求められるので、生半可なストライド走法では脚を痛めたり、逆にスピード効率を落としてしまったりします。

 

まさにそのあたりが、ストライド走法のデメリットということができます。

十分な筋力が備わっていて、かつ無理のないフォームで走れていればスピードに乗ることができますが、そうでなければリスクを伴う両刃の剣だと認識しましょう。

 

特に、適正な歩幅よりも大きくなってしまう「オーバーストライド」で走ると、かかと着地(ヒールストライク走法)により膝などへの衝撃がさらに大きくなります。

着地方法の違いは、ピッチ/ストライド走法と密接なかかわりがあります。

着地に注目した走り方の違いについては別記事にまとめていますので、お時間が許せばこちらもお読みいただければと思います。

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どんなランナーに向いているのか?

さて、2つの走法の特徴や違いはよく分かりました。

ではそれぞれ、ランナーへの向き不向きについてどのようなことが言えるのでしょうか?

 

ピッチ走法向きのランナー

基本的に日本人の体形にはピッチ走法が向いていると言われます。

また、十分な筋力が備わっていない初級ランナーも、ピッチ走法のほうが向いていると言えます。

 

ちなみに私は膝を守ることに命を懸けて走っているので、かなりピッチよりで走っています。

ハーフマラソンやフルマラソンなど、長距離レースを中心に出場するランナーも、ピッチ走法の恩恵を受けやすいと考えられます。

 

ストライド走法向きのランナー

ストライド走法は、手足の長いアフリカ系や欧米系のランナーによく見られます。

もちろん、日本人のトップ選手にもストライド走法で活躍されている方は何人もいるので、人種だけで一刀両断してしまうのは正しくありません。

 

ただ前述のように、筋力が備わっていないとストライドを上げて走り続けることはできないので、鍛えられた脚を持ち、しっかりしたフォームが身についている上級者向きの走り方です。

 

ではトライアスリートに向いているのはどっち?

トライアスリートは、中長距離のバックグラウンドを持っている場合も多く、ストライド走法でも十分やっていける方が多いと思います。

しかし、トライアスロンではランの前にバイクがあり、そこで脚を使ってしまうと普段通りのストライドで走ることはなかなか難しくなってきます。

従ってトライアスロンでも、よほど数多くのレースをこなし、脚に自信がある方を除いては、ピッチ走法を取っておいた方が無難だと思います。

 

 

ピッチ(歩数)の目安と練習のコツなど

ピッチのことをケイデンスとも呼び、単位を[spm](steps per minute)で表します。

1分間の歩数です。

 

一言でピッチ走法と言っても、初心者とベテランではケイデンスは異なります。

初心者ランナーのピッチ走法はおよそ160~180spm程度ですが、ベテランランナーのピッチ走法/ストライド走法の境目は180spm付近だと言われます。

 

これはひとつの目安ではありますが、ピッチ走法で走ろうと考えていて、自分のピッチが180spmに満たない場合は、ピッチを上げていく方向で練習していけば良い、という一つの指針はできますね。

 

ピッチを上げる際には一気に目標のケイデンス(例えば180spm)まで上げようとせず、少しずつ上げていくのが現実的です。

無理に回転数だけ上げようとしてしまうと、フォームに悪影響が出ることがあります。

膝が曲がってしまったり、腕の振りがいい加減になってしまったりなどです。

 

また足の筋力だけを使ってピッチを上げようとすると脚がもつれるような格好になってしまうことがあります。

下腹部の筋肉を意識して、脚の付け根から動かすようなイメージで回転させると良いでしょう。

 

ピッチ走法については、足をフラットに着地するミッドフット走法との共通点が多いです。

ミッドフット走法のコツなどについては、こちらの別記事でまとめています。

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まずは自分のピッチ(ケイデンス)を知るところから

ピッチを管理して練習するには、ケイデンス計測のできるスポーツウォッチなどが必要になります。

まずは自分が現在どのくらいのピッチで走っているのか、それが分からない事にはピッチ走法もストライド走法も語れません。

 

マラソンやトライアスロンなど、マルチスポーツに対応した高機能ウォッチは、ケイデンスやストライド、心拍数、マラソンの予想タイムから様々なトレーニング効果まで、アスリートにうれしい機能がたくさん入っています。

別記事で詳しく紹介していますので、興味のある方はどうぞ。

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ピッチ走法とストライド走法 まとめ

いかがでしたか?

便宜上、分かりやすくするためにピッチ走法とストライド走法を対比させる形でまとめましたが、実際にはピッチかストライドか、「イチかゼロか」という話でも無かったりします。

 

要はピッチをより増やすか、ストライドをより伸ばすか、どこが自分にもっともちょうどいいか、どこで走ったら一番怪我が少ないか、というポイントを探っていく作業でもあります。

 

なので、必ずしもピッチかストライドかと最初から決めつける必要はないと思います。

強いて言えば、初めのうちはピッチ走法をベースにして練習を積み、タイムが伸び悩んだらちょっと歩幅を広げてみる、などが堅実なやり方かもしれません。

その際、練習に筋トレを加えてみたり、フォームが崩れないように注意したり、そういった工夫や戦略が重要になってきます。

 

長々と書いてしまいましたが、この記事が少しでも参考になれば幸いです。